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技術伝承を加速させるために│2.なぜ技術伝承にブレーキをかける三つの壁の克服

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文責:ジェムコ日本経営 常務取締役 コンサルタント 北井好

 

日本の製造業の現場では過去から培われた技術が伝承されないまま空洞化する危険性が散見され始めています。

この問題に対してどう取り組んでいけばよいか、第2回目に入ります。

第1回目で技術伝承にブレーキをかける三つの壁についてお話ししました。

一つ目は「どう技術を正確に引き出すか」の壁、

二つ目は「どう技術を正確に表現するか」の壁、

三つ目は「どう技術を正確に伝えるか」の壁でした。

これらは組織の変更やシステムの構築を検討することで克服されるものではなく、言いかえれば必要条件ではあっても十分条件ではないといえます。

基本は、技術をまとめ上げるべく専任された人がこれらの能力を身につける必要があります。

そして、これらの能力を誰もが身につけられるようにするには、この能力を理論化・普遍化し管理技術として理解し、訓練により体得する必要があります。

 

さて、これからこれら三つの技術についてお話します。

1.「技術を正確に引き出す」技術

この技術のポイントは、根拠を徹底的に明らかにしていくこととその根拠が科学的裏付けのある理にかなったものであるかを見抜くこと、であるといえます。

モノづくりの現場では、何かの行為や作用を与えることによりモノが変化します。

与える行為や作用の目的とその条件の根拠、そしてそれがモノの変化の原理とどう関連するのか、曖昧な部分を残さず徹底して明らかにしていくことが必要になります。

中には行為・作用とモノの変化の原理が明確に関連付けられないものも出てきますが、それらは、経験としての知見として別整理しておきます。

2.「技術を正確に表現する」技術

この技術のポイントは目的的表現・能動的表現を取ることであります。

VE( Value Engineering : 価値工学 )の機能的考え方をベースとし、「○○を△△する」という表現を基本として簡潔にまとめていきます。

受動的表現・情緒的表現・冗長表現は避け、形容詞は数値化をしていきます。そしてまた、その行為・作用の目的は何か働きは何か、

の確認を行い上位・下位の関連の適合性をチェックすることにより、表現として適切な言葉を用いているか評価します。

3.「技術を正確に伝える」技術

この技術のポイントは技術として確立されたものとそうではない経験上の知見レベルのものは明確に分けて伝えること、

そして伝える媒体と形式をどうするか、にあります。経験上の知見レベルのものを技術として認識し伝承していくのでは、進化は生まれません。

地道な理論解明の姿勢が重要であり、そのためには技術と経験上の知見は峻別して伝える必要があります。

また、文章よりは写真、写真よりは映像、と盛り込める情報量は多くなります。また行為と作用では表現すべき情報の種類が異なります。

対象に応じて媒体と形式を選択する必要があります。 

次回は技術をまとめ上げるべく専任された人、すなわち「テクニカルナレッジエンジニア」についてお話します。 

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