生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第46回 品質コスト】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第46回 品質コスト」についてです。
品質に関わるコストとは何か?
品質に関わるコストとは何でしょうか。大きくは対応コストと維持コストに分かれます。
対応コストは、品質問題が起きたときに発生するコストのことをいいます。
維持コストは、品質問題の発生に関わりなくその維持のために発生しているコスト、あるいは予防のためのコストです。
対応コストとは?6つの例
対応コストは、品質問題が起きたときに発生するコストのことをいいます。
例えば、下記のようなものが挙げられます。
①不良品製造コスト
不良品を生産したコストです。廃棄になった場合の材料費と加工費、消耗品などの不良品を1個作るのにかかった製造コスト。
②修理廃棄コスト
不良品を修理するコストと廃棄するコスト。客先へ流出したものを回収するコストなど。
③再検査コスト
自社あるいは客先での選別や工程内の検査体制の強化にかかわるコスト。
④調整コスト
再生産のための計画変更、客先との再納入の調整、運搬の手配などのコスト。
⑤対策コスト
品質対策書を作成したり、基準を見直したり、標準を変更するようなコスト。
⑥法的コスト
損害賠償、PL訴訟などの法的な問題へ発展したときのコスト。
維持コストとは?5つの例
維持コストは、品質問題の発生に関わりなくその維持のために発生しているコスト、あるいは予防のためのコストです。
例えば、下記のようなものが挙げられます。
①品質保証課コスト
品質関連要員の維持コスト。労務費その他のコスト。
②検査コスト
検査要員の維持コストなど自社で生み出す不具合を防止するコスト。
③受け入れ検査コスト
外部からの購入品や外注加工品の検査コストなど自社へ入ってくる不具合を防止するコスト。
④品質マネジメントコスト
ISO認証の取得、維持、更新にかかわるコスト。
⑤教育コスト
品質に関する教育にかかわるコスト。
本当の意味の「品質コスト」は?
細かいところまでいれると、もっと多くの品質にかかわるコストがありますが、これらはすべて不良品に関わるコストです。製品の機能を高めたり付加するための、試験・開発研究関連の費用が実は本当の意味の「品質コスト」なのです。