生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第71回 様々なロス-1 分離と分散】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第71回 様々なロス-1 分離と分散」についてです。
「分離ロス」とは?
「分離ロス」は、接近すべきモノや場所が離れていることによって発生するロスです。
工程はもちろんのこと、工場も幾つかの建屋に分かれていると運搬と停滞が発生して効率を落としてしまいます。工場の形態は平屋が理想的です。なおかつ、1つの建屋の中で完結する形が望ましいです。
倉庫などのストックポイントが工程と離れていると、材料の払い出し後に運搬するロスが発生します。工程間に停滞のために倉庫に入れるようなことをしていると、ロスばかりで付加価値のない作業に時間をかけていることになってしまいます。
分離ロスに関するある工場での話
ある工場の話です。
そこでは、工程が分離しており、途中に倉庫に在庫として保管するためにビニール袋に入れているという作業をしていました。在庫を使用するときには、そのビニールから出してビニールを廃棄します。そのため、年間に使用するビニールが相当量にのぼっていました。そのコスト以上にムダなのが、「ビニールに入れる作業」「出す作業」「保管する作業」です。これを廃止するために、工程の連続化を実施しました。工程間のストックをなくすことで、リードタイムの短縮とストックの削減とが実現できました。
「分散ロス」とは?
「分散ロス」は、部門や工程ではなく、作業場所や操作場所が工程のあちらこちらに分散していることを指します。スイッチや電源、操作盤、ゲージなど操作調整する箇所が分散していると、人が動いてまわらなくてはならなくなります。
プロセス的な工程では工程・設備の中を製品が流れていきますが、その状態や品質の確認のために目視チェックする場所が分散していると同様に人の動きが発生します。この場合、集中管理ができるようになれば、モニター等で監視が可能となるのでロスが少なくなります。
基本的に監視は付加価値を高めないので、それをセンサーやコンピューター管理に置き換えなくてはなりません。
分離と分散はそれが当たり前のように思われやすく、なかなか気が付きにくいロスなので、注意して見つけ出すことが必要です。




