生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第74回 様々なロス-4 複雑】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第74回 様々なロス-4 複雑」についてです。
目次
いつのまにか複雑になってしまったシステムはありませんか?
いつのまにか複雑になってしまったシステムというものをよく見かけます。
システムは、製品・しくみ・構成・構造・サービス・つながり・体系などいろいろなものを意味します。これらは最初から複雑だったわけではありません。最初はとてもシンプルだったはずです。しかしシステムにいろいろ付加されたり、それ自身が機能拡大によって複雑化していったことによって、それを利用・活用しようとする人にとって非常に難解なモノとなってしまっているのです。
身近な例を4つほどで考えてみます。皆さんもぜひ見直してみてください。
いつの間にか複雑になったもの① 工程
工場形態も含めてモノが流れていく過程が複雑化すると動線が伸びて、生産リードタイムが長期化してしまいます。それだけでなくストックポイントが増えるので、在庫量の増大につながります。工程の簡略化・単純化は大きなロス削減になります。
いつの間にか複雑になったもの② 設備
操作が複雑な設備は、それを覚えるのに時間がかかるので動かせる人が限られてしまう恐れがあります。そうなるとその人が休んでしまうと誰も設備を稼働できないことになります。操作がシンプルであれば皆が操作できるので、問題発生が少なくなります。メンテナンスでも複雑な設備では故障修理などに時間がかかってしまいます。複雑な設備は大体において調整も複雑なので移動することが難しくなります。レイアウトの自由度が低くなり効率的なライン構成に支障を来たす恐れがあります。
いつの間にか複雑になったもの③ 配管・配線
プロセス系の工場では配管が工場内を縦横無尽に走っていて、どこがどこにつながっているのか分かりにくいケースが多くなります。配管に何が流れているかを表示するのはシンプル化の第一歩です。コンピューター関連の設備は配線が複雑になっていることがあります。これも整理しておかないと、移動や増設の妨げになる恐れがあります。
いつの間にか複雑になったもの④ 手続き
間接業務の複雑なものは、書類をたくさん作成・記入したり、あちらこちらに提出したり、書類自体が様々な部門を経由したりで、結論を出したり承認を受けたり報告や記録されるのに恐ろしく時間がかかることがあります。事務作業の効率化のためには、書類や手続きを簡略化することが必要です。




