サイト内検索

JEMCO通信

2026-05-15 コンサルティング トピックス

技術・技能伝承の鍵は暗黙知にあり!現場で活きる作業標準を作るには?

文責:ジェムコ日本経営

多くの製造現場で、熟練の技術者たちが定年退職を迎え、長年培ってきた「匠の技」が失われることに危機感を抱いているリーダーは少なくありません。また、せっかく作成した作業標準書が、現場の実態と合わず形骸化しているという悩みもよく耳にします。こうした状況を放置すると、製品の品質低下や生産効率の悪化、さらには企業の競争力低下にもつながりかねません。

なぜ今、技術・技能伝承が必要なのか

現在、少子高齢化による労働人口の構成変化により、ベテランの持つ製造ノウハウの担い手不足や世代間ギャップが発生し、技術・技能の継承危機に晒されつつあります。
ベテランのノウハウの継承が進まないことで、技術の消失等が発生し、技術力の向上や企業の更なる発展が阻害されます。
また、国内における設計・製造・品質のレベルが保てないままでは海外展開もままならず、国際競争力も低下します。グローバル競争を勝ち抜くためにも、技術継承は重要なのではないでしょうか。

技術技能伝承が上手くいっていない?

多くの製造現場で、技術技能伝承は長年の課題として認識されています。OJT(On-the-Job Training)やマニュアル作成といった取り組みは広く行われているにもかかわらず、なぜか「うまくいかない」と感じるリーダーは少なくありません。

企業様では下記のようなことが起こっているのではないでしょうか。
【ベテランの視点】
●先輩の教育方法を踏襲して教えよう・伝えようとするが、なかなか伝わらない
●若手が何を知りたいのか、なぜ理解出来ないのかがわからない
●若手の教育に時間を割けられない
【若手視点】
●何を教えてもらいたいのかがわからない
●ベテランが忙しく、教えてもらえない
●作業標準(手順書)や技術標準が、十分に理解できない

その背景には、ベテランが持つ言葉にしにくい「暗黙知」という知識の壁、現場の実態と乖離した「作業標準書」の問題点、そして熟練者の定年退職が迫ることによる「技術喪失」という深刻なリスクが潜んでいるといえるでしょう。

「暗黙知」と「形式知」

技術・技能伝承を考える上で避けて通れないのが、「暗黙知」と「形式知」という概念です。

●暗黙知
経験や勘に基づく知識や動作のうち、言葉でない状態で個人がもっているもの。(潜在的なナレッジ)
たとえば、機械のわずかな異音から不調を察知する「勘」や、加工面の微妙な手触りから品質の良否を判断する「コツ」などが典型的な例です。

●暗黙知の形式知化
誰にも認識でき、客観的に理解できる
テキスト・映像・音声などにして外部知識を加えること。
マニュアルや設計図、計算式などがこれにあたります。

従来のOJTでは、ベテランの動きを見て真似ることで暗黙知を伝えようとしますが、この方法だけでは限界があります。なぜなら、暗黙知はその性質上、教える側も無意識に行っていることが多く、言葉で説明しきれない部分が多いためです。結果として、属人的な伝承にとどまり、技術を習得するまでに長い時間と個人差が生じてしまう可能性があります。

作業標準書の形骸化が引き起こす問題

若手社員への教育姿勢は時代と共に変化が必要不可欠かもしれません。しかし、技術・技能伝承を行うための、適切な作業標準書の策定は不変事項です。
ただ、作業標準書が十分に機能しておらず、ノウハウの継承が計画通りに進まないといった課題に直面している企業様もあるのではないでしょうか。

既存の作業標準書が「使えない」3つの理由

「作業標準書はあるが、正直、現場ではあまり役に立っていない」と感じていることがあるかもしれません。この問題には、主に3つの理由が考えられます。

●現場の実態と乖離している
一度作成された作業標準書が、その後の設備更新や工程変更、改善活動を反映せずに放置されているケースは少なくありません。結果として、最新の作業手順と異なっていたり、そもそも存在しない機械や治具を使った手順が記載されていたりするため、実用性がないものになっている可能性があります。

●肝心な部分が書かれていない
多くの作業標準書は、正常な状態での手順や、誰でもできる基礎的な作業に終始しがちかもしれません。しかし、本当に知りたいのは、微妙な調整方法、異常が発生した際の判断基準、トラブル対応など、まさに暗黙知に属する部分です。これらが記載されていないと、結局ベテランに頼らざるを得なくなります。

●文字ばかりで分かりにくい
専門用語が羅列され、文章量が多く、写真や図解が少ない作業標準書は、若手には読解するだけでも難しいものとなってしまいます。直感的に理解しにくい形式では、作業中に参照する気にならず、使えない標準書になってしまうのです。

「ベテランの技」を可視化する!暗黙知を形式知に変えるには?

長年の経験によって培われたベテランの「匠の技」ともいえる暗黙知を、誰もが理解し実践できる「形式知」へと変換することは重要なことです。
その為にも、「業務の棚卸し」「熟練者へのヒアリング」「再現できる形への落とし込み」ということは重要なステップとなり、属人化された技術を組織全体の共有財産へと変えることができるでしょう。これにより、安定した品質の維持はもちろん、若手の早期育成や生産性向上にも大きく貢献できると思います。
ただし、この「暗黙知を形式知に変える」ということは、自社だけでは難しいところもあるかもしれません。
ジェムコ日本経営では、「暗黙知」の在りか・不足などを見つける、独自の「13の着眼点」を所有しています。これを用いてナレッジを的確に抽出します。技術・技能伝承を行う上でお困りごとがあればぜひお声がけください。

資料
ダウンロード
セミナー・
イベント情報