リードタイム短縮|生産性向上につながる?そのメリットとは
文責:ジェムコ日本経営
製造業を取り巻く環境は、顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化、そしてグローバル競争の激化により、かつてないスピードで変化しています。企業が生き残り、成長していくためには、変化に迅速に対応する能力が不可欠です。
目次
リードタイムとは? なぜ重要視される?
「リードタイム」とは、商品の発注から納品に至るまでの生産や輸送などにかかる時間のこと。つまり、ある工程の開始から終了までにかかる時間のことを指します。
リードタイムが重要視される理由の一つは、リードタイムの長さが、企業が抱える在庫量、特に仕掛品や製品在庫に関係するからです。リードタイムが長いほど、何かあったときのために多くの在庫を持つ必要があり、結果、在庫に対する資金が増え、企業の運転資金、つまりキャッシュフローに大きな影響を与えます。
さらに、リードタイムは顧客満足度を左右する重要な要素でもあります。お客様との約束納期を確実に守ることはもちろん、短納期で製品を提供できる能力は競争優位性となります。また、市場の需要が急激に変動した際にも、短いリードタイムであれば柔軟に対応できるため、販売機会の損失を防ぎ、収益の最大化にも貢献します。

リードタイム短縮が生産性向上につながる?
リードタイムが長いことで生じる「見えないコスト」は、企業の収益を圧迫しています。また、長すぎるリードタイムは、計画の変更や在庫管理に要する管理工数を増大させ、間接的なコストが膨らむ要因にもなります。
リードタイムを短縮することで、必要な在庫量を最小限に抑え、キャッシュフローを改善できます。さらに、市場の変化に柔軟かつ迅速に対応できるようになり、新たなビジネスチャンスを捉え、売上向上へと直結します。このように、リードタイム短縮は単なる効率化にとどまらず、企業の競争力を高め、最終的な生産性向上に貢献する戦略的な施策と言えます。
混同しやすい用語「サイクルタイム」「タクトタイム」
ちなみに製造現場では、リードタイムの他にも「サイクルタイム」や「タクトタイム」といった時間に関する用語が頻繁に使われ、混同されることがあります。
●「サイクルタイム」
一つの製品や部品を連続して生産する際に、1個あたりにかかる実際の作業時間のことを指します。
●「タクトタイム」
市場の需要、つまりお客様が必要とする製品の数に合わせて、製品一つをどれくらいの時間で作るべきかという「目標時間」を指します。
リードタイムにはサイクルタイム(実際の作業時間)の合計だけでなく、工程間の「待ち時間」や「停滞時間」といった、付加価値を生まない時間が数多く含まれています。リードタイムを短縮するためには、個々の作業時間(サイクルタイム)を短くするだけでなく、工程間の「停滞時間」をいかに削減するかが鍵となるのです。
そして、リードタイム短縮がもたらすメリットには、下記のようなことが挙げられます。
このようなことを実現するためにも、リードタイム短縮を検討してみてはいかがでしょうか。
リードタイム短縮がもたらすメリット①在庫最適化によるキャッシュフローの改善
リードタイムが長いほど、需要の変動や予期せぬトラブルといった不確実性に対応するため、どうしても多くの在庫を抱え込まざるを得なくなります。リードタイムを短縮できれば、必要な時に必要なだけ生産・調達できる体制に近づくため、過剰な在庫を持つ必要がなくなります。これにより、在庫を保管するための費用、管理の人件費などのコストが削減されます。
リードタイム短縮がもたらすメリット②機会損失の削減と売上向上
リードタイムが長い状況では、顧客からの急な増産依頼や短納期での注文に対して、対応を断らざるを得ないケースが発生しがちです。リードタイムを短縮することで、このような需要の急な変動や顧客の要望に対して、迅速かつ柔軟に対応できるようになります。
リードタイム短縮がもたらすメリット③コスト削減
リードタイム短縮には、様々なコスト削減効果があります。例えば在庫量の削減は、倉庫の賃料、光熱費、在庫管理システムの費用などの「保管費」を削減します。在庫スペースが空くことで、新たな生産設備の導入や作業スペースの拡大など、より有効な活用も可能になるでしょう。
また、長期間の在庫の保管は、品質の劣化などのリスクがあります。リードタイムを短縮し、必要なものを必要な時にだけ生産する体制に近づけることで、廃棄ロスを削減できます。さらに、リードタイムの中には、製品を待つ「手待ち時間」や、部品や工具を探す「探索時間」などもありますから、間接的に人件費の効率化にも繋がります。
リードタイム短縮がもたらすメリット④柔軟な生産体制の構築
リードタイムが短いということは、生産プロセス全体のモノの流れがスムーズで、工程間の仕掛品在庫が少ない状態を意味します。このような生産体制は、需要の急増や急減、あるいは予期せぬ仕様変更といった外部環境の変化に対し、迅速かつ低コストで対応できる能力を持っているといえるでしょう。




