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JEMCO通信

2026-07-09 コンサルティング トピックス

日本の製造業が挑む三位一体の企業変革 ~外部環境をふまえた経営アジェンダマップ〜【①経営戦略層】

文責:ジェムコ日本経営 取締役社長 森岡琢

 2026年、日本の製造業を取り巻く環境は、これまでにない不連続な変化の中にあります。トランプ政権2期目(トランプ2.0)による関税政策の激変、米中デカップリングの固
定化、そして国内における深刻な人手不足とエネルギー制約。これらの外部要因は、もはや一時的なショックではなく、世界の秩序が再編される過程での構造的リスクとして
定着しました。このような時代において、企業の持続的な成長を実現するためには、一部門の改善や特定施策への点の介入では不十分です。私たちは、「経営戦略層」「事業構造層」「現場実行層」の3つの階層を一つのシステムとして機能させ、連鎖的に価値を生み出す「経営アジェンダマップ2026」を提示します。
 今回は、「経営戦略層」における要点と、それらがどのようにつながり、企業変革を成し遂げるのかを解説します。
※この記事はジェムコニュースレター「叡智無尽」2026年4月号より抜粋したものです

生存と資本効率の最適化

 経営の最上流では、不確実性を前提とした生存基盤の構築と、投資家から強く求められる資本効率の最大化を両立させなければなりません。

① ROIC経営の徹底:資本効率を軸とした事業の選択と集中

 売上規模の拡大が必ずしも利益に直結しない現在、ROA(総資産利益率)を分解し、コスト効率(利益率)と回転率(資産効率)の掛け算で収益体質を捉え直すことが急務です。特にキャッシュフローを悪化させるモノや情報の停滞を排除し、ROIC(投下資本利益率)を管理指標の核に据えることで、付加価値の低い事業からの撤退と、成長領域への大胆なリソース配分を断行します。

②地経学リスクを織り込んだレジリエンス構築:供給断絶を防ぐ国内回帰と分散

 トランプ関税やサプライチェーンの分断リスクは、コスト効率のみを追求したグローバル調達の限界を露呈させました。2026年は、地政学リスクを外部環境として受容するだけでなく、財務・技術戦略の一部として組み込む必要があります。具体的には、戦略的な国内回帰(リショアリング)や、グローバルサウスを含む供給網の多極化を推進し、いかなる政情不安下でも止まらない供給体制を構築することが経営の最優先事項となります。

③SXの成長戦略化:環境価値を競争優位の源泉へ転換

 サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)は、もはや守りの活動ではありません。炭素排出量の削減や資源循環の仕組みそのものを製品の付加価値として価格に反映させ、環境価値を市場での競争優位に変換する戦略が求められます。

 次回は、【事業構造層】についてご紹介します。

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