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導入事例

【TOP INTERVIEW~話題の経営者に聞く~】

世界を知るからこそわかる日本企業の強み・弱み
伝えていきたいのは“モノづくりの力” <後編>

エイブリック株式会社 代表取締役社長兼CEO 石合信正氏

Contents 01

インタビュー概要

高品質な「アナログ半導体」を製造する、エイブリック株式会社の代表取締役社長兼CEO・石合信正氏は、30年以上グローバル企業に勤務、うち20年以上はCEOなどを歴任されています。インタビューの後編では、エイブリックの取り組みを中心に、ワールドワイドに活躍してこられた石合氏が、その経験を活かし取り組んでいること、これからの展望についてお聞きしました。

エイブリック株式会社 代表取締役社長兼CEO 石合信正氏

Contents 02

森羅万象のアナログ情報をデジタル信号に変換、
デジタル半導体に伝達

Q:エイブリックが製造する「アナログ半導体」とはどのようなものでしょうか


半導体には、「アナログ半導体」と「デジタル半導体」があります。現代の電子機器の多くはその両方の半導体で成り立っています。

アナログ半導体は、光や音、温度など森羅万象のアナログ情報を、コンピューターが得意とするデジタル信号に変換し、デジタル半導体に伝達する役割を担っています。アナログ半導体には、様々な機能を持った製品がありますが、各種センサーをはじめ、電圧をコントロールするものなど、ほとんどの家電、車、スマホに不可欠で、当社でも製品数は数千種類あります。

Contents 03

「Small Smart Simple」の三位一体が強み

Q:貴社の特徴、強みはどんなところでしょうか


キーワードは、「Small Smart Simple」。エイブリックは、元々、時計の技術からスタートしていますので、小さく作るのは得意分野です。それに、低消費電力、低電圧動作、超小型パッケージ。この三位一体が強みです。

それを具現化するために、不可能を可能にする技術力があります。そして、現場力。マーケティング、開発、回路設計、テスト、前工程と言われているウェハの製造、それから後工程と言われているパッケージの製造まで、垂直統合型の生産システムを作り、一気通貫で行っていることも特徴です。

Contents 04

コミュニケーションを大切に。最初に
「なぜ必要か?」、腹に落ちるように丁寧に説明

Q:海外でのご経験をいかし、社内を変えたところなどあるでしょうか?


私自身、初めてグローバル企業に行ったとき、はじめからすべて理解できたわけではありませんし、仕事の定義一つとっても、経験しないとわからないこともあります。

ですから、 “はじめの一歩”が重要と考えています。丁寧に「なぜこれが必要なのか」ということを、各自の腹に落ちるように繰り返し説明を行うようにしています。そのうえで、改革を行うことがそれぞれの人生においてプラスになるというメッセージを伝えながら、モチベーションを上げていきました。また、経験が重要ですから、具体的なプロセスを踏んでいき、成功体験を早く作ってもらうことは苦労しました。

そのためにも、コミュニケーションは大変重要だと感じています。私自身、エイブリックで代表取締役社長に就任してすぐに行ったことは全社員と個別面談です。

あと、これはエイブリックに入って感じたことでもあるのですが、日本よりも海外拠点のほうが確立していることも多くあります。例えば値上げ交渉など、海外拠点からスタートさせて日本を動かすということも行いました。

Contents 05

「会社は人(社員)」、
朝の明るい挨拶を徹底しています

Q:経営をされるうえで大切にされていることなどを教えてください


「会社は人(社員)」。当たり前のことではありますが、長年かかって、やはりこの重要性を再認識しています。

仮に、どんなに優秀なコンサルタントについてもらっても、どんなにすごい投資家がいたとしても、最終的に会社を変えることができるのは社員です。いかに社員のモチベーションを上げて、同じビジョンに向けてリードし、ともに働いて結果を出していくか。それが重要と考えますし、やはりコミュニケーションがポイントになります。そして、何より楽しくないといけない。私が行っているのは朝の明るい挨拶。基本的なことですが、意外とできていないので、これは徹底して行っています。

Contents 06

日本を起点として、世界に成功のロールモデルを
作っていきたいです

Q:今後の展望や夢をお聞かせください


エイブリックには、これまで電力として活用できなかった微小な環境エネルギーを蓄電・昇圧し、無線発信などを可能にする、独自のエナジーハーベストに最適な技術「CLEAN-Boost®」など、夢のある、不可能を可能にする技術がたくさんあります。

そもそも、エイブリック(ABLIC)という社名は、ABLE(できる)と、IC(Integrated Circuit)を組み合わせた造語で、半導体技術で不可能を可能にするという意味を込めています。不可能を可能にする技術をもって、日本を起点として、世界に成功のロールモデルを作っていきたいと思っています。

日本のモノづくりの現場はとても強いですよね。品質のいいものを生産していますが、足りないものは何かと考えたとき、グローバルに対応してアピールすることや、コンプライアンスやSHE、CSRなどグローバルな視点での物差しが必要になってくると思います。

言い方を変えたら、日本の企業は、現場は強いがマネジメントは弱い。どちらかだけが強いのではいけないですよね。世界に成功のロールモデルを作っていくためにも、“強い現場×強いマネジメント”の、ハイブリッドな企業を作っていきたいと思います。

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