【AIの発達も影響か】ホワイトカラーとブルーカラーの役割の境界線は変わる?
文責:ジェムコ日本経営
「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」という言葉を聞くことがあります。日本では高度成長期のころから使われており、もともとは「白い襟(ワイシャツ)」と「青い襟(作業服)」という服装の違いからきた言葉です。
製造業におけるホワイトカラーとブルーカラーは、働く場所・作業内容・評価の指標において違いがあるといわれていますが、現代では役割の境界線が緩やかになりつつあります。
目次
ホワイトカラーとは?
経営企画、商品開発、人事、営業など、市場のニーズを形にする戦略を立てたり、会社全体の効率化を図ったりするなど、ビジネスの仕組みを作る職種と言えるでしょう。どちらかと言えばデスクワークが中心です。
ブルーカラーとは?
旋盤工、溶接工、オペレーターの方など、現場で直接ものづくりに携わる職種です。製品が形になる実感を持つことができ、技術を極めるキャリアを築けます。

ホワイトカラーの仕事が減る?
最近、「ホワイトカラーの仕事が減るのではないか?」などと懸念されることがあります。それは、AIが得意とする領域が、ホワイトカラーの主要業務と重なっていることが原因といえます。そんな中で、ブルーカラーの再評価が起こっているとも言われています。
評価されるブルーカラーとは?
とはいえ、ブルーカラーと呼ばれる職種すべてが再評価されているわけではないでしょう。では、ブルーカラーのなかでも評価される人はどういう人でしょうか。それは、「どうすればいいか考えることができる人」「機械に対して指示を出せる人」などが挙げられるでしょう。
例えば組み立てるという作業を考えてみましょう。ただパーツをつなぎ合わせるのであれば機械でもできるかもしれません。しかし、組み立てにコツがいるときや精密にパーツを合わせる必要があるとき、「こう組み立てたらいい」ということを経験や材料の性質をもとに考え、それを機械に指示を出す必要があります。このことを行うのは、技術者のこともあれば、現場の作業に精通した人のこともあると思います。この時、後者の方がブルーカラーにあたります。技術を磨いて、知識もあり、それを活かすだけの技量がある。そういうことができるブルーカラーの人は評価が上がる、と言えるのではないでしょうか。
ホワイトカラーとブルーカラーの境界線が“あいまい”に?
そして、このようなことは、ホワイトカラーとブルーカラーの境界線が“あいまい”になることともつながってくるといえます。
日本の製造業の特徴として「すり合わせ型」であるということが挙げられます。簡単に言えば、「あうんの呼吸」で全体を最適化するモノづくりです。これをしようとするとき、考える・作るというところの距離をあえて離す必要はありません。熟練した作業員やエンジニアが現場で問題を解決する能力が最大限に活かされる可能性が大きくありますし、日本のモノづくりの強さがここにあると思います。
そして、境界が“あいまい”になるという意味では、「コンカレントエンジニアリング」と「フロントローディング」という考え方も重要です。開発期間の短縮や品質向上を目指す上で欠かせないものとなります。
コンカレントエンジニアリング (Concurrent Engineering)とは?
コンカレント(Concurrent)とは、同時並行という意味です。
従来の開発は「リレー形式」が中心でした。これに対し、設計段階から各部門が同時並行で作業を進める手法です。部門間の壁を取り払い、現場の知恵を設計に早期反映できることで、開発期間の短縮などにつながります。
フロントローディング (Front Loading)とは?
業務の負荷(Loading)を工程の初期段階(Front)に前倒しすることです。後工程で起きそうなことを、設計などの早い段階で出して解決しておく考え方です。そうすることで後からの手戻りを防ぎます。これを行うためには、3D CADなどを活用したデジタル試作が不可欠です。
ホワイトカラーとブルーカラーの距離感がカギ
今の環境下では、市場トレンドが変わる前に素早く発売する必要がある、製品の複雑化が強まっているというようなさまざまなことがあるでしょう。そういう中では、この2つの手法を採用しない手はありません。
そして、ホワイトカラーとブルーカラーの距離感は、コンカレントエンジニアリングとフロントローディングを成功させるためのカギといっても過言ではありません。
とはいえ、例えば「現場の意見を聞きすぎて、革新的な機能などが損なわれる」というようなことが起こっては本末転倒です。「より良い商品を早く世の中に出す」というような目的に向かって、それぞれの視点で取り組む姿勢が重要なのではないでしょうか。




