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JEMCO通信

2026-06-03 ジェムコ・コーオペレーションズから

ナフサ不足が製造業に与える影響とは?【第2回】工場が止まる理由は「主役」ではなく「脇役」にある

文責:ジェムコ・コーオペレーションズ 松村潔

ナフサ不足というと、多くの方は「プラスチック原料が足りない話でしょう?」と思われるかもしれません。しかし、実際の製造現場で起きているのは、もっと深刻です。工場を止めているのは、主役の材料ではなく、“脇役”の不足です。

“脇役”の不足が起こすこと

工場を止めているのは、“脇役”の不足といいましたが、具体的には何がそれにあたるでしょうか?
たとえば、塗料。製品を塗装するためのシンナーや有機溶剤は、ほぼナフサ由来です。 現在、多くの塗料メーカーで出荷制限が始まり、価格も大きく上昇しています。
すると、何が起きるでしょうか。「材料は揃っているのに、最後の塗装ができない」。つまり、完成品として出荷できないのです。

“たった 1 点”が欠けることでライン全体が止まる

さらに深刻なのが、Oリングやガスケット、パッキンといった小物部品です。単価は安い。しかし代替が効かない・・・。製造業では、この“たった1点”が欠けるだけでライン全体が止まります。
最近、ある工場の方がこんな話をされていました。「数千万円の設備が完成しているのに、最後のゴム部品が入らず出荷できない」。
これは決して大げさな話ではありません。
特に影響が大きいのが、住宅設備・建材分野です。ユニットバス、トイレ、断熱材、塩ビ管、壁紙、サッシ。実は住宅のほとんどの部材にナフサ由来素材が関わっています。
そのため、現在は「工事が始められない」「納期が読めない」「見積もりが出せない」という状況が各地で起きています。

“品質の違い”への対応も迫られる

また、自動車や機械分野も同様です。自動車1台には数百点以上の樹脂・ゴム部品が使われています。 その一部でも供給が止まれば、完成車は組み上がりません。
しかも今は、単なる原料不足だけではなく、“品質の違い”への対応も迫られています。中東産の代替として米国産などの原料が入ってきていますが、成分が微妙に違う。すると、成形温度、塗料配合、加工条件を変えることが必要となります。つまり、現場の職人技で吸収している状態です。

日本の製造業は「現場力」で支えられている

ここで改めて感じるのは、日本の製造業は「設備」で動いているのではなく、「現場力」で支えられているということです。しかし、その現場力にも限界があります。だからこそ今、多くの企業が「代替素材」や「設計変更」に本気で動き始めています。

次回は、製造業が進めている具体的な防衛策、そして“石油依存からの脱却”に向けた現場のリアルな取り組みについてお伝えします。

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