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JEMCO通信

2025-06-04 生産の基本論

生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第38回 モノへの表示】

文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊

皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
38回目の今回は、「モノへの表示」についてです。

仕掛品系で表示すべきもの

工場内に置かれているモノが何であるのかが一目で分かるようになっていますか?なぜそうすることが必要なのでしょうか?
そうしないと、誰も手を付けずにそのまま放って置かれることになるからです。
仕掛品系で表示すべきものとしては、下記のようなものがあります。それぞれきちんと状態を表示してください。

□流通品(現在仕掛中で流れているもの、加工途中のもの)
□停滞品(様々な理由から止まっているもの)
□不具合品(不良品や品質管理担当のチェック待ちなど)
□長期保管品(停滞ではなく完全に止まっているものや当面出荷しないもの)
□在庫品
・・・・・など

設備系で表示すべきもの

設備系では、下記のような状態表示をします。特にトラブルで停止している場合には、どのような処置を取るのか、そしてそれはいつまでに実行されるのかを明示してください。

□稼働中
□計画停止中
□故障中
□段取り中
・・・など

表示が外から見て一目で分かるようにする

その他部品や備品も、使っているのかいないのかを含めて状態の表示を行わなければなりません。そして、それらの表示が外から見て一目で分かるようにしなければなりません。
工場でよく見かけるのが、修理中や段取り中のモノへの表示が不完全であるということです。修理のためには設備のカバーや、いろいろな部品をはずさなければならないことはよくあることです。
しかし、そのはずした部品や交換した部品を表示なしに置いておくのは問題です。修理のために一時的にはずした部品は再度取り付けるのでまだいいとして、新しい部品に交換したときの、古い部品の処置が不完全ではないでしょうか。そうすると、古く壊れた部品が置きっぱなしにされてしまいます。修理した人が忘れると永遠に置かれてしまうことになります。
そういった「つい置いてしまうモノ」についても表示を徹底するようにしてください。

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