生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第39回 現品票】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
39回目の今回は、「現品票」についてです。
モノが何であるかを示す「現品票」
製造現場でモノについて回るのが「現品票」といわれるものです。
その役割は「情報を表示して伝えること」「モノが何であるかを示す」ことです。いろいろな工場で現品票を目にしましたが、その内容で優れていると感じたものをいくつか紹介します。
必ず記入する必要がある4つのこと
まず、下記のことは必ず記入する必要があります。
□品名や品番
□客先
□納期
□数量
それらの情報がバーコードなどによって、工程で読み取れるようになっているものもあります。そうすると生産オーダーごとに、「いつどの工程を通過したか」がコンピューターによって記録されます。そこで不良品などの情報を入力できると、日報の代わりとして使用できるので、作業者が終業後に書く日報の手間を削減できます。
さらに優れものの「現品票」にするには?
さらに工程順序が示されているものがありました。これはどの工程を通過するかが一目で分かり、次がどの工程かが分かります。
その通過工程ごとに「いつ加工すべきか」の工程日程が記載されているものは、進捗管理に使用できるので優れものです。
もっと進んでいるのはICチップなどを活用して、製品情報を通過工程ごとに読み取り、記録できるしくみを構築しているところです。通過時間も記録されているので、工程毎のタクトタイムも自動計算されます。
ユニークな「現品票」は色分け
ユニークなのは、現品票の色を加工着手する日付で変えているもの。1つの工程が1日という管理単位で運営していると、工程に異なる色の現品票があると遅れているか、進みすぎているというのが一目でわかります。
カンバンなどの高度なしくみを構築してもうまく運用できないところでは、自社に合った現品票の活用方法を検討することで、進捗と計画の管理をおこなっているところもあります。皆さんもぜひ検討してみてはいかがでしょうか。