生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第57回 材料のロス②】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第57回 材料のロス②」についてです。
倉庫に眠る限り役割を果たしていない材料
倉庫の中で、長期にわたり停滞している材料や部品はありませんか。
倉庫に眠っている限り、材料はその役割を果たしていません。材料は加工され製品になってはじめてその存在価値が発揮されるのです。
眠っている材料はどんなもの?
では、倉庫などに眠っている材料にはどんなものがあるのでしょうか。例えば下記の6つが挙げられます。
①これから使用する材料
②当面使用しないが、将来的に使う予定のある材料
③いつ注文が来ても対応できるように備えとしての材料
④前回の注文の際にまとめて、あるいは発注しすぎて余ってしまった材料
⑤以前に使用して余っている材料
⑥注文が来るのを見越して調達したが結局使用しなかった材料
ほかにもいろいろな理由で、使用されずに倉庫に長期間停滞している材料があるかもしれません。
長期停滞材料を保管しておくデメリット
これらの材料はどうすべきでしょうか。結論は使用しないなら“捨ててしまえ”ということです。
長期停滞材料を保管しておくメリットとしては、主なものとしては「急にその材料が必要になったとき調達する必要がない」くらいかもしれません。
逆にデメリットは、下記のようなことが挙げられます。
①保管するスペースが必要
②管理する手間がかかる
③陳腐化の恐れがある
④資産としていつまでも残る
⑤使用するときに錆などを落とす必要がある
⑥違算の発生する可能性がある
長期在庫品を一掃
「材料メーカーとの交渉で必要量だけ調達できるようにする」「それもすぐに入荷できるようにする」といったことが実現できれば、余分に買うとか前もって買うということが必要なくなります。
倉庫を一度よく調べて、長期在庫品を一掃しましょう。