生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第62回 間違いの防止-1】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第62回 間違いの防止-1」についてです。
作業中の「間違い」の発生理由は?
作業中に発生する「間違い」には、実に様々なものがあります。何故間違いが起こるのでしょうか。認識不足、確認不足、勘違い、思い込み、物忘れ、連絡不足などなど。原因はいくらでも挙げられます。
では、それを防止するにはどうしたらよいでしょうか。これは、様々な方法が今まで考えられてきました。しかし完全な方策はありません。
間違いをできるだけ減らすには?
少なくとも人間の判断や注意力に頼る部分は、間違いが起きることはありえますから、間違いを完全に防ぐ方法はありません。また、機械化している部分も故障というリスクから逃れることはできません。
「ポカヨケ」というのは、間違いを防止するために考えられてきた方法で、完全なものはないかもしれませんが、かなり間違いを減らすことができるものはあります。
※「ポカヨケ」・・・製造現場などで、作業ミスを物理的に防ぐための仕組みや装置の総称です。うっかりしたミスや失敗を意味する「ポカミス」と、避ける・防ぐことを意味する「ヨケ」から来ている言葉です。
間違いを減らす方策
間違いを「無くす」ではなくて、大きく「減らす」ための方策の一つが「区別・区分」です。
間違ったものを製品に取り付けたとか、間違った指示を出すといったことは、区別・区分ができていれば防げることが多いのです。
その方策の1つが「色」や「形」による方法です。色が違えば目立ちます。すぐに間違いに気が付きます。形も同様です。
大事なのは「二度と間違えないようにすること」
大事なことは、間違えたことを反省したり注意したりすることではなく、二度と間違いを犯さないように対策を打つことです。そのときに気をつけなくてはならないのが、二重チェックをするなど、人間の注意力から脱しないで対策を打つことのないようにすることです。機械的、物理的、電気的に間違わないように工夫しなければなりません。




