生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第65回 梱包の改善-1】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第65回 梱包の改善-1」についてです。
梱包の改善も重要なポイント
製品の梱包は、非常に重要な作業です。しかし、あまりその改善に注意が払われていないような気がします。改善というと、製造過程に目が向いてしまいがちです。
しかし梱包は、最後の工程としての砦みたいなものです。ここで最終の不良品を見つけなければなりませんし、出荷後のトラブルを防ぐための手立てを講じなければなりません。
梱包の機能は果たしつつ簡略化が求められる
最近は、過剰梱包が問題になってきています。環境への配慮ということもあってか、製品を取り出した後のゴミを、できるだけ排出しないような方向で世の中は動いています。梱包の基本的な機能は果たしつつ、簡略化することが求められているのです。
梱包のそもそもの機能は?
梱包の機能は何でしょうか。それは、製品の品質を維持するということになるでしょう。輸送中の破損や保管中の劣化を防ぐことが梱包の目的です。
その機能さえ果たせれば、梱包のやり方はもっと簡略化してもいいということになります。何も箱に入れるだけが梱包ではありません。
簡易包装されている事例
1つの例として、缶入り飲料の梱包があげられます。
メーカーや銘柄によっては、箱入りの梱包ではなくて、厚手のビニールで覆っているのを見かけます。これは箱に比べて排出されるゴミの量が少なくなっています。
このような例はあちこちで見られて、様々な場面でダンボール梱包から簡易梱包へ徐々にシフトしています。電気製品は、まだ箱の中のクッションや充填材が多いです。これは買ってきて中の製品を取り出すとき非常に大きなゴミとなります。もっと他の方法はないのかといつも思います。一部には簡単なビニールのエアバッグのようなものでクッションの替わりを果たしていることも見かけます。発泡スチロールは少なくなってきましたが、近年再利用技術が進んで、また利用される動きもあるようです。もっと梱包に目を向けて改善することが地球環境の保護につながるのです。




