生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第72回 様々なロス-2 不統一】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第72回 様々なロス-2 不統一」についてです。
目次
統一されていないことでロスが発生
いろいろな場面で、統一されていないことによるロスが発生しています。不統一のロスは、例えば「設備」「部品」「方式」「フォーマット」「表示」が挙げられます。
ここでは、この5つについてお話いたします。
不統一によるロス① 設備
設備は、企業の規模や生産品目の拡大に伴って徐々に増えていきます。設備のメーカーはできるだけ統一する方が望ましいと思います。メーカー技術者が来たときに、他の設備を見てもらうことができるし、同じメーカーは使用している交換部品や消耗品が同じであることが多いので、メンテナンスコストを下げることができます。故障した場合に一時的に他の設備から部品を拝借できるメリットもあります。設備導入検討時にそのときに最も価格の安い設備を選定していると、不統一による部品在庫の増大などのデメリットのほうか大きくなる恐れがあります。設備はライフサイクルコストを最小にするようにしなければならないので、価格などの導入コストと合わせてメンテナンスなどの使用コストも合わせて検討するようにしてください。
不統一によるロス② 部品
製品に使用する部品についてですが、製品ごとに異なっている場合は、それぞれ購入・ストック・準備しなければなりません。これは製品設計にかかわるところが大きいですが、できる限り部品を統一することを検討してください。全く同じ部品でなくとも、メーカーが同じであれば購入先が一緒なので購買的に有利です。ボルトやネジ、電子部品など細かい部品は共有することでメリットが大きくなります。製造サイドからも設計に対して部品の共通化を要求してもいいでしょう。
不統一によるロス③ 方式
人によって作業のやり方が異なると、時間も異なってきます。出来栄えも違ってきます。シフトなどが違うと、班によって方式が違うということが起こりやすく、また気が付きにくい問題であります。
また、生産する拠点で同じ製品を作る場合でも方式が異なるというのを時々見かけます。これでは品質の統一が難しくなります。設備も異なってくるのでその面でのデメリットも大きくなります。技術的な情報の共通活用もできにくくなります。
方式は統一すべきで、その標準方式を書面で表し、時々その確認の場面を設定してください。
不統一によるロス④ フォーマット
方式の違いのひとつでもありますが、同じ機能の書類のフォーマットが部門や工場で異なると、いろいろ問題がでてきます。付き合わせや比較が難しくなります。用紙を何種類も用意しなければなりません。ペーパーレスを進める意味でも、フォーマットの統一は事務効率の向上に貢献することなので積極的に進めましょう。
不統一によるロス⑤ 表示
これが統一されていないと工場内が分かりにくくなります。製品表示は判別しやすいように統一して、ルールに則って区別するようにしてください。
統一することで生産性・品質・コストの改善につながる
ここにいくつかの例を示しましたが、このほかにも不統一のデメリットのケースはたくさんあります。統一していくことで生産性・品質・コストの改善につながることがよくあります。身の回りの不統一ロスに目を向けてください。




