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JEMCO通信

2025-07-23 生産の基本論

生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第45回 検査の考え方】

文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊

皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
45回目の今回は、「検査の考え方」についてです。

「検査」は必要なもの?不良品を外部に出さないための防波堤

「検査」は必要なものだと思っていませんか。検査することで品質は向上しますか?売上が上がりますか?コストは下がりますか?
「検査」は品質を向上させるものではありません。よく言われるように、品質は工程で作りこまれるものです。検査は、「工程でできてしまった不良品をはじく」機能しかありません。内部で生み出された不良品を、外部に出さないための防波堤にすぎないのです。検査を強化しても生み出される不良品が減るわけではありません。だから検査と平行して、工程改善によって不良品を生み出さないようにしなければならないのです。

工程で不良品が出ていないことを確認する機能

しかし、検査にはもう1つの役割があります。それは「工程で不良品が出ていないことを確認する」という機能です。品質が一定以上であることを保証するものです。品質保証とは、検査で不良品を取り除いて品質を維持することではなく、不具合が発生していないことを確認し、品質が維持されていることを保証するものです。

「品質が高いこと」と「不良品の発生が少ないこと」を混同してはいけない

また、「品質が高いこと」と「不良品の発生が少ないこと」を混同してはなりません。不良品が出ないことが品質が高いことではないのです。品質は顧客の要求レベルを満たしているかどうかです。キズや瑕疵があってはいけないのはもちろんのこと、不具合ではなくても要求されているレベルをクリアしていることで初めて品質が高いと言えるのです。

品質を「マイナス要因の除去」から「プラス要因の付加」という視点で考える

ここを間違って捉えている工場が多いです。「品質向上」を「不具合削減」と結び付けているのです。たしかに不具合がないことも品質の一部ですが、本来の品質はそのものの持っている製品特性や仕様のレベルのことを指します。したがって今まで出せていなかった能力を出せるようになることが品質向上なのです。品質を「マイナス要因の除去」から「プラス要因の付加」という視点で考えていただきたいと思います。
検査はその意味で品質を高めるものではありません。検査がなくともいいものが顧客に提供できればいいのです。検査はコストがかかります。それを最小限にすることで利益に貢献できるようにするのが品質保証の役割です。

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