生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第94回 リードタイム短縮-4】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第94回 リードタイム短縮-4」についてです。
リードタイムが短縮できれば様々な費用が圧縮
建設現場においてもリードタイムという概念は重要です。リードタイム、つまり工期が短縮できれば様々な費用が圧縮できるはずです。戸建て住宅においては施工業者と施主の両方にメリットがあります。施工業者はレンタル建機や資材のコストが削減できます。下請け業者のコストも減ります。工事の回転が速くなり、棟数をこなすことができます。そのメリットは下請け業者にとっても同様です。施主のほうは早く住宅ができれば喜びます。仮住まいであればその費用が削減できます。工期が遅れて文句をいう施主はいますが、早すぎて文句を言う人はほとんどいません。
大きな建設物件では、リードタイム短縮の効果が大きい
もっと大きな建設物件では、さらにリードタイム短縮の効果が大きくなります。足場や現場事務所、架設電気そのほかのいろいろな、建築物ではないが費用のかかるコスト項目が削減できるからです。
工期短縮の可能性を徹底的に検討
工事日程には、ある程度余裕が含まれていることがほとんどです。しかし、日程管理を行わないとずるずる延びて、最後のほうで間に合わせるために残業、突貫、休出というコストのかかる手段をとらざるを得なくなってしまいます。工事日程を常に管理して遅れを防止し、早め早めの作業ができれば、工期は短縮されるはずです。下請け業者には予定より早く作業が終わった場合にはインセンティブを出すこともひとつの方法です。
ある工種で、10日で5人投入の計画であれば、作業を検討して5日で10人にします。どちらも工数が同じなので、かかる労務費は一緒ですが、工期は半分になるとそれ以外のメリットが大きくなります。一種の一気生産です。養生など短縮できない工程は仕方ないですが、それ以外の工程は工期短縮の可能性を徹底的に検討しなければなりません。
工事実績からの分析も重要
また、過去の工事実績からの分析も重要です。過去において予定が延びたのはどんなケースでその原因は何か。コストはいくら余計にかかったか。結果としてかかった日数を短縮するにはどのような方法が考えられたか。これらの分析から得られた結果や教訓や対策を次の工事に生かすためです。フィードバックをすることによってのみ経験を生かすことができるのです。
建設において、「リードタイムは絶対である」という考えは捨てて、短縮の方策を探ってください。




