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JEMCO通信

2026-06-09 ジェムコ・コーオペレーションズから

ナフサ不足が製造業に与える影響とは?【第3回】生き残る企業が始めている「設計変更」と「調達防衛」

文責:ジェムコ・コーオペレーションズ 松村潔

現在、多くの製造業で起きている変化があります。それは、「図面通りに作る」という従来の考え方が崩れ始めていることです。

“代替素材前提”の設計へ

以前なら、指定材料が入らなければ「納期待ち」でした。 しかし今は、それでは会社が止まってしまういます。そのため、多くの企業が“代替素材前提”の設計へ切り替え始めています。
特に増えているのが、石油依存度の低い素材への変更です。
たとえば、断熱材。従来はプラスチック系断熱材が主流でしたが、現在はグラスウールやセルロースファイバーなど、非石油系素材への切り替え検討が急速に進んでいます。
また、これまでコスト面で敬遠されていた再生プラスチックやバイオマス樹脂も、「手に入るなら採用する」という流れが強まっています。

本当に必要な仕様を見直す動きとは?

さらに興味深いのは、“スペックダウン”を前向きに考える企業が増えていることです。
これまで「念のため高性能材」を使っていた部分を見直し、必要十分な性能へ戻す。あるいは、樹脂部品を一時的に金属加工へ戻す。こうした動きは、一見すると後退に見えるかもしれません。
しかし私は、むしろ“本当に必要な仕様を見直す動き”として非常に重要だと感じています。

差がつく「調達力」

そして今、最も差がついているのが「調達力」です。
これまで商社1社任せだった企業が、複数ルートで材料を確保し始めています。ネット調達。 地域企業同士の融通。 同業者間の在庫共有。
ある中小企業では、「余っている塩ビ管」と「不足しているシンナー」を交換し合うような、非常に現場的な助け合いも起きています。

設計部門と調達部門が一体化しているかが重要

また、重要なのは“設計部門と調達部門が一体化しているか”です。調達が「この素材なら入る」と情報を掴む。 すると設計が即日で図面変更に動く。このスピード感を持つ企業は、供給混乱の中でも操業を維持しています。
逆に、「承認に時間がかかる」「前例がないと動けない」という企業ほど苦戦しています。今後の製造業に必要なのは、“完璧な調達”ではなく、“変化へ対応する柔軟性”なのかもしれません。
次回は最後に、こうしたコスト上昇や代替対応を、中小企業がどう価格転嫁しているのか。現場のリアルな価格交渉について整理します。

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