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JEMCO通信

2019-03-22 成長戦略のプロセス・手法

これからの成長戦略の論点 第3回:イノベーションを成長戦略に取り込む

文責:ジェムコ日本経営 成長戦略コンサルティング事業部 事業部長 森岡 琢

■成長戦略とは何か?

よく使われる経営用語のひとつとして、「成長戦略」というものがあります。

wikipediaによると、「企業などといった組織が成長することを目標として経営していく場合、そのためにはどのような事柄をするべきかを明確にするということ」とされています。概ねその通りでしょう。
かなり噛み砕いて言うと、「企業(組織)が成長するためになすべきこと、取るべき方策」といったところでしょうか。

成長戦略の対義語ではありませんが、対のものと位置付けられるのが「構造改革」です。
現状抱えている問題について表面上の策を講ずるのではなく、根本の原因となっている構造をあるべき姿に変えていくというものですね。

企業(組織)は、この「成長戦略」と「構造改革」が両輪となって走るものであり、成長戦略が体格を、構造改革が体質を作り上げていくイメージです。

■企業にとっての成長とは

企業にとっての成長とは、シンプルに考えると以下のようなことだと考えています。
既存事業領域<既存事業領域の拡大分or縮小分+新規事業領域の獲得分

既存事業領域は市場環境変化により縮小してしまったり、無くなったりする可能性があるため、その拡大分or縮小分と新規事業領域の獲得分の和が、今の姿より大きくなれば、成長していると言えるわけです。

■イノベーションを成長戦略に取り込む

企業の成長に新規事業領域の獲得は欠かせません。既存事業が未来永劫発展する、存在するという保証はどこにもなく、縮小どころか、市場そのものが消失してしまうケースすらあります。
そのため、企業は常に新しい事業機会を探索し続け、新しい事業の柱を創る普段の取り組みが必要です。

新規事業領域は「新規」という名こそついていますが、原則としては、飛び地的な領域ではなく、既存事業の近接領域で獲得すべきです。(飛び地でビジネスが立ち上がるほど甘いものではありません)そして近接領域を拡大していくことで、つまり境界線を外へ外へ押し広げることで体格を大きくしていくことになります。
そしてイノベーション領域とは、その近接領域の外側にある世界と言ってよいでしょう。その世界は未知であることが多いです。ですが、その世界を知っておかないと、境界線が固定化され、近接領域が拡がりません。
そう考えると、イノベーションの第一歩は、自分たちの知らない世界を関心を持って歩いてみようということになります。
企業の中にそんな活動に取り組む組織や機能、時間があってもよいですね、(もちろん既存事業領域の範囲でもイノベーションのタネは転がっていますので、そちらもお忘れなく)

第3回は以上になります。

次回は成長戦略のふたつめの切り口である「新興国」をテーマにして、成功事例や成功の要諦を紐解いてみたいと思います。

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