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JEMCO通信

2026-09-25 コンサルティング トピックス

【ジュニアボードとは?】製造業の次世代リーダーを育て、現場の視点を経営に生かす仕組み②

文責:ジェムコ日本経営

企業が持続的に成長するためには、次世代の経営を担う人材を計画的に育成することが欠かせません。
一方で、若手・中堅社員に経営視点を身につけてもらいたいと考えていても、日常業務のなかで、会社全体の経営課題や事業戦略について考える機会を提供するのは容易ではありません。
特に製造業では、生産、技術、品質、調達、開発、営業など、各部門の専門性が高くなりやすい傾向があります。そのため、自部門の目標や課題には詳しくても、会社全体の収益構造や経営戦略を考える経験を十分に得られないことがあります。
こうした課題への一つのアプローチとして注目されているのが、若手・中堅社員が実際の経営課題について議論し、経営陣に提言する「ジュニアボード制度」です。
2回目は、検討できるテーマなどを紹介します。

ジュニアボードで検討できるテーマ

ジュニアボードでは、参加者が実際の経営に関係するテーマを扱うことが重要です。
製造業では、例えば次のようなテーマが考えられます。
•次世代の主力製品や新規事業の検討
•新たな顧客や市場の開拓
•生産性向上と業務効率化
•品質向上と不良の削減
•設備投資の優先順位
•工場や事業所を越えた連携
•技能継承と人材育成
•DXやデータ活用
•省人化や自動化
•調達リスクへの対応

最初から大規模な新規事業だけを扱う必要はありません。自社にとって重要で、参加者が調査や分析を行えるテーマを選ぶことが大切です。
ただし、単なる職場改善の提案にとどまらないよう、「会社全体にどのような影響があるのか」「事業戦略とどのようにつながるのか」という視点を持たせる必要があります。

ジュニアボード導入で注意したいポイント

ジュニアボードで避けたいのは、参加者が時間をかけて提案を作成したにもかかわらず、発表しただけで活動が終わることです。
制度が形骸化すると、参加者の経営に対する関心を高めるどころか、「意見を出しても会社は変わらない」という印象を与える可能性があります。
実際の経営課題を扱い、経営陣が提案に対して具体的な判断とフィードバックを返すところまでを制度に含める必要があります。
また、ジュニアボードの活動には、会議だけでなく、調査、分析、資料作成、社内ヒアリングなどの時間が必要です。通常業務に上乗せすると、参加者に過度な負担がかかる可能性があります。上司や所属部門にも制度の目的を説明し、活動時間を業務として確保することが重要です。また、参加者が活動しやすいよう、業務量や役割の調整も検討します。
他にも、ジュニアボードでは、経営方針や既存の制度に対して、参加者が疑問や異なる意見を出すことがあります。その発言が人事評価上の不利益になると感じれば、率直な議論は難しくなります。経営陣は、経営側と同じ答えを求めるのではなく、異なる立場からの意見を受け止める姿勢を示す必要があるでしょう。

制度を導入すれば自動的に次世代リーダーが育つわけではない

不確実性の高い経営環境では、担当業務の視点だけでなく、会社全体を見渡して判断できる人材を計画的に育成することが重要です。
ジュニアボードは、若手・中堅社員が実際の経営課題を考え、部門を越えて議論し、経営陣へ提言する機会をつくる制度です。
特に製造業では、生産、技術、品質、調達、開発、営業などの異なる視点を結びつけることで、現場改善と経営戦略をつなぐ人材の育成が期待できます。
また、現場で生じている変化や問題意識を経営陣と共有し、新規事業、業務改革、組織改革などの可能性を検討する場としても活用できます。
ただし、制度を導入するだけで、自動的に次世代リーダーが育つわけではありません。
ジュニアボードを形式的な発表会にしないためには、経営陣が継続的に関与し、提案の採否と理由を参加者に伝えることが欠かせません。あわせて、通常業務との両立、発言しやすい環境づくり、提案後の実行体制まで含めて設計する必要があります。
導入にあたっては、まず自社が育成したい人材像と、解決したい経営課題を明確にすることが重要です。そのうえで、自社の規模や組織風土に合わせた仕組みを設計し、小さなテーマから実践を始めることも一つの方法かもしれません。

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