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JEMCO通信

2017-07-20 成長戦略のプロセス・手法

『新規事業から描き始める成長戦略』第3回:タマの事業化戦略策定(パート1)

 

文責:ジェムコ日本経営 成長戦略コンサルティング事業部 事業部長 森岡 琢 

前回(第2回)では「新規事業のフォーカス領域」を選定(第1回)した後の、「新規事業のタマ(テーマ)出し」について解説しました。

第3回と第4回の一部で、選び出した「タマの事業化戦略策定」について解説します。

事業化戦略策定は次の2つのフェーズから構成されており、今回は①の要点を説明します。

①戦略構想の与件明確化フェーズ

②戦略構想フェーズ

戦略構想の与件明確化とはつまり、戦略構想に影響を与える情報の収集・整理・分析・解釈にあたります。

ジェムコでは具体的に次の3つの活動を通して、戦略構想のための与件を明確化しています。

  (1)競合企業の実態調査

  (2)受容性調査(フィールドワーク)

  (3)参入障壁分析

◆(1)競合企業の実態調査

新規事業領域で既に活動しているプレイヤーの事業実態を調査します。定量情報・定性情報を収集し、競合企業の事業実態から、事業特性や成功要因を探ります。

競合企業は、リーダー企業(フロントランナー)、チャレンジャー企業(対抗馬)、ニッチャー企業(独自ポジションを築いている企業)からバランスよく選ぶとよいでしょう。またあまり多くの企業を選び過ぎると調査が目的化してしまいがちなので、3~4社で充分です。

◆(2)タマの受容性調査(フィールドワーク)

これまでの過程で選び出したタマは、いわば机上で論じたものです。市場で本当に受容されるかどうかはまだ分かりません。

その一次試験として、顧客候補やチャネル候補、学会の権威・有識者にタマをぶつけてみて客観的な反応やフィードバックを得ることで仮説を磨きます。(場面設定はジェムコでも支援しています)

この活動は困難も伴います。地道であるだけではなく、否定もされるからです。「特に必要ではない」「やめたほうがいい」という意見も当然出てきます。

いきなり全肯定されるほど、新規事業は甘くありませんし、美味しいものでもありません。ですがこの活動を行い、仮説再検証・再設定を繰り返すことで、タマが磨かれていきます。

◆(3)参入障壁分析

(1)(2)の結果もふまえて、新規事業領域への参入障壁を抽出し、個別の障壁の影響度を分析しながら、対応策・克服策を検討します。

これらの活動を通して、事業特性、顧客特性、製品(サービス)特性をしっかりと見極めて、重要成功要因を導き、それらの獲得方法を検討します。

この獲得方法こそが戦略と呼ばれるものとなります。

今回は以上になります。

次回(第4回)は「タマの事業化戦略」(パート2:戦略構想編)と「新規事業のバリューチェーン構築についてのポイントを解説します。 

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