生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第100回 請負】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第100回 請負」についてです。
労務費の変動費化の方法の1つ「請負」
労務費の変動費化の1つの方法として、「請負」があります。自社の従業員による作業を協力企業に委託し、請負による契約を結ぶというものです。これにより発生するコストは、自社の労務費から請負先の外注費となります。つまり固定費から変動費になるということです。
請負先との契約は「出来高払い」に
請負先との契約で気をつけなくてはならないことは、「出来高払い」とすることです。そして不良品は買取りとし、検査費用を協力企業が負担するようにすることです。また、納期遅れにはペナルティを課します。これは一見厳しいように見えますが、そうしなければ変動費化した意味がありません。また当社の生産計画に合わせてもらわなければ計画が狂ってしまいます。納期遅れを発生させて顧客に迷惑をかけたり、品質不良で余分なコストを発生させるリスクは自社で負担するのですから、請負企業には適切な生産量と品質を保証してもらわなければなりません。
レベルアップにもつながる
このことは、請負企業にとっても緊張感をもって作業するということになり、レベルアップにもつながります。作業が遅れたり出来高が上がらなかったりすれば、請負企業がリスクを負うことになるのですから自然と管理レベルが向上します。
インセンティブでモチベーションの向上
逆にインセンティブも必要でしょう。遅れや不良が一定期間発生しなければボーナスを与えます。請負企業にすれば、品質と納期が一定レベル以上に維持されればインセンティブが入るのでモチベーションの向上につながります。
パフォーマンスが達成出来たらコストダウンにもつながる
また、より少ない工数で同じ出来高などのパフォーマンスを達成することができればコストダウンにつながり、利益を高めることができます。改善の意欲が高まります。
これに対しては可能な限り協力してください。共同研究による改善案の策定と実施によりコストダウンが図れたら、たとえば1年間はそのメリットを請負企業に享受してもらうが、ただし翌年からは請負価格に反映させて当社もメリットをもたらしてもらう・・・。これは共同研究だからできることで、請負企業の単独の努力によるコストダウンは当社の利益に貢献させる権利はありません。いわばギブアンドテイクで双方にとって緊張感もあり果実もある関係を築きたいものです。




