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JEMCO通信

2025-07-01 生産の基本論

生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第42回 消耗品の在庫】

文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊

皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
42回目の今回は、「消耗品の在庫」についてです。

ある工場でのコスト削減の事例

ある工場でコスト削減をすることになり、様々な方策が検討され、計画が立てられ実施されました。その方策の1つに「消耗品費の削減」というものがありました。

消費量の多いものをリストアップして対策

消耗品のうち、消費量の多いものをリストアップして対策を考えます。1番多かったのが、梱包用のビニール袋でした。あちらこちらの職場でビニール袋が使用されています。
この工場ではビニール袋の管理がずさんで、各職場から上がってきた要求に従って購買部門が支給していました。量がまったくチェックされないので、大量のビニール袋が消費されていました。
そこでまず、工場内のどこにビニール袋がストックされているかを調査しました。すると、たくさんの場所で保管されていることが分かりました。それぞれ10種類以上のビニール袋を大量に保管しており、その総量は、工場の使用量の1年分を超えていました。

消費量の多いビニール袋にメスを入れる

まず取り組んだのが、ビニール袋を何度でも使えるものに変えることです。ビニール袋はそれまで基本的に1回しか使ってなかったのですが、それを何度でも使えるように変えたわけです。
次に、使用するビニール袋の種類を削減しました。製品の大きさに合わせて使い分けしたものを、大きさ別のグループを作って、半分の種類にしました。
さらに使用するビニール袋のグレードを落として、価格を下げます。最後に保管する場所を集約して、保管量を削減しました。これらの施策で大きくビニール袋の購入費用と在庫量を削減することができました。
ここから学んだことは、「保管場所を分散すると、それに比例して保管量も増える」ということです。同じものをだぶって数箇所で保管していることを防がなくてはなりません。

消耗品の分散保管にメスを入れて在庫削減

同じようなことは機械加工工場でもあり、そこではドリルなどの刃物を分散保管していました。集約することで大きく購入量を減らすことができたのは言うまでもありません。
消耗品はこのように分散保管されやすいので、ここにメスを入れると在庫削減ができる可能性が高いといえます。

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