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JEMCO通信

2019-08-07 働き方改革 人材育成の大切なこと

働き方改革の本質(6)習慣

文責:ジェムコ日本経営 取締役 小倉明男

〇良き習慣は人を幸せにする

全英オープンを制した渋野日向子選手の笑顔の習慣

42年ぶりの快挙と放映されている彼女の笑顔。これは母親から「あなたの長所は笑顔」と言われ続けていたのですが、去年プロテストに合格したばかりの渋野日向子選手の密着取材で彼女のイメージについて、「クールビューティー」(自分のトレードマークの笑顔とは反対の印象だった)と言われたのをきっかけに、笑顔があふれるようになったといいます。つまりプロになってから意識して笑顔を作ることを習慣にしたんですね。そして今回の快挙で「スマイルシンデレラ」になったというわけです。それにしても笑顔が観客やライバルまで味方につけ(18番で優勝を決める最後のパットを入れた瞬間一緒に戦っていたブハイ選手が思わず万歳をしていました)幸運を呼び寄せ奇跡を起こしたのですからすごい力ですね。

〇志を遂げるには良い習慣が必要です。

どんなに高い志があっても、それに向かって毎日やるべきことをこつこつと続けていかなければ、夢は実現しません。以下野球のイチロー選手と小久保選手の会話です。

小久保「モチベーションが下がったことはないの?」

イチロー「小久保さんは数字を残すために野球をやっているんですか?僕は心の中に磨き上げたい石(意志)があるんです。それを野球を通じて輝かせたいんです」と。

小久保選手はなんと恥ずかしい質問をしたのかと顔が赤くなったそうです。イチロー選手は石(意志)と表現していますが、野球を通して魂の品格を上げ、少しでも人間として成長したいと思っているのです。だから、毎日同じものを食べ、同じ練習をし、同じルーティーンをしているのです。結局、志を遂げるためには小さな良き習慣を恒常化させるしかないのです。

〇人間の行動は習慣がその8割とも9割とも

朝起きてまず顔を洗って歯を磨いて、何も考えず同じ電車の同じ車両に乗り、フリーデスクなのに同じ席に座り、帰りは同じ飲み屋で同じ話をしています。より人生を充実させるためには、悪い習慣をやめてその空いた時間で良い習慣をつくることなんです。

ちなみに私事ですが、最近やめた悪い習慣は、帰りの特急電車に乗る時にビールとおつまみを買うこと。始めた良い習慣は、写経です。特に写経は何か心が落ち着くので続いています。もう数カ月や続いているのですが、266文字はすべて暗記してなにも見ないで書ける様になりました。毎日、少しずつですが書いていると覚えられるものです。良い習慣をつけるためには、自分にとって心地よいことと、きっかけが大切かもしれません。

〇移転を機に習慣を変えた企業

最近、あるオフィス家具メーカーと協業で企業支援をしているのですが、クライアントから高評価をいただいています。その内容は、移転を機に働き方改革でハード(オフィス家具)もソフト(働く人の意識)も変えようというものです。

悪いと分かっていても治らないのが習慣です。そこで、オフィスが変わるのをきっかけに自分の働き方も見直してみようというものです。自分たちの新しいオフィスではどうありたいか、個々が主体的になるためにどんな仕掛けが必要か、もっと効率をよくするためにはどんな仕組みが必要か、オフィスデザイナーまかせにするのではなく、自分たちでワークショップを開き、とことん議論して新しい職場でのイメージを決めて移転をしました。結果、良質のコミュニケーションが取れ一人一人が主体的で生き生きとした職場づくりができたとのことです。

このコンサルティングはのちにこのクライアントから表彰をいただくほどご評価をいただきました。

〇スモールステップでの習慣化

冒頭の渋野日向子選手の笑顔の習慣のように、単純なことをスモールステップで始めることが習慣化のコツです。私の写経の場合は、100円ショップで「心が落ち着く般若心経練習本」を購入したのがきっかけで、毎日1ページずつ10分で進んでいます。これも潜在的にやってみたいという欲求があったし、確かに心が落ち着くので続いているのだと思います。

毎日続ける習慣は良い習慣なら驚くほどの力をつけるし、悪い習慣なら驚くほど自分をダメにしていくでしょう。さあ、幸せをつかむためにも自分にとっての良い習慣をスモールステップで始めてみましょう。

次回からは各社の働き方改革の事例をご紹介します。

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