生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第101回 段取り改善】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。ジェムコでは、「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしております。
今回は、「第101回 段取り改善」についてです。
まとめ作りは生産効率は高まるが・・・
まとめ作りは、段取りの回数を減らして設備の稼働を高めるために、しばしば行われています。確かに、同じものをずっと生産しているほうが、生産の効率は高まります。
しかし、多品種少量生産の工場においては、まとめ作りは今必要のないものを作り出すことになり、在庫の増加につながります。また、すぐ使わないものは停滞することになり、リードタイムの長期化につながります。すぐ使わなければ保管しなければなりません。保管するには管理が必要です。それが長期化すると汚損・破損を招き、使用するために修正したり手直ししたりといった余分なコストがかかります。さらに、あてが外れて使わなくなった場合には、廃棄ロスが生じます。陳腐化の危険にさらされることになります。
まとめ作りによる在庫
まとめ作りによる在庫は、このように多少の利があるが百害あるものです。ですから、できるだけ避けなければなりません。ではどうするか。それは切り替えを頻繁に行って生産するものをすぐ必要なものだけに限るようにするのです。すぐ使うものだけを加工する。そうすれば在庫は必要ありません。
段取り作業に入る前に準備しておく「外段取り」
そのためには、切り替えの段取り時間を短縮しなければなりません。段取り作業を分析してみると、治具を取りに行ったり図面を探したりといった、本来の作業ではない余計な動きや作業が含まれているものです。そのような作業は段取りを開始して設備を止めてからしなければならないことはありません。むしろ段取り作業に入る前に準備しておくべきことです。これを外段取りといいます。
作業改善と同じくらい段取り改善は重要なもの
現状の段取り作業の中から、外段取りできるものを抽出します。それを専任者かオペレーターが設備を止める前に行ってしまう。そうすることで本来設備が止まっている間にやらなくてはならない作業に特化することができます。さらに必要な作業も改善により短縮する。
このようなステップで、ある支援先の企業では段取り時間を20%以上削減することができました。まとめ作りを厳禁にして、必要なものだけを生産することで、在庫が大幅に削減されたことは言うまでもありません。作業改善と同じくらい段取り改善は重要なものと認識して、改善に取り組んでください。




